子どもたちは夏休みですが まだ梅雨空の仙台です ☂
今日の読書会には 久しぶりに参加された方もおられて
紹介される本も 多彩になりました・・・!
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T.Yさん
「かぜのでんわ」 いもとようこ:著・イラスト
金の星社:刊
やまのうえに いちだいの でんわがおいてあります。
きょうも だれかが やってきました。
せんのつながっていない そのでんわで はなしをするために。。。
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絵本のモデルとなった電話は、東日本大震災の被災地、
岩手県大槌町の佐々木格さん(ガーデンデザイナー)が
自宅の庭に置いた「風の電話ボックス」
そこには、
風の電話は 心で話します。
静かに目を閉じて 耳を澄ましてください・・・(後略)
と書いてあるそうです。
(NHKテレビでも放送されましたね。)
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★朗読を学んでおられるTさんが 絵本を読んでくださいました!
読みきかせをしていただくのも、いいものですね。
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T.Tさん
「日本残酷物語」 宮本常一・山本周五郎・揖西高速・山代巴:著
平凡社:刊
かつての日本の庶民の歴史が書かれています。
日常的な飢え。姥捨て山など虐げられるお年寄りや女性。
結婚にいたる状況、子どもができない女性への仕打ち。
「残酷物語」というタイトルですが、かつての日本のありふれた
光景の記録です。
老人はうやまれていたというが、農村ではどうだったのか。
女性の結婚は就職のようなものだった。
江戸、明治、昭和初期の庶民の生きる辛さが綴られている。
(今回の参加メンバーは、70代~30代まで)
「ただ、生きるために、生きている人が多かったのだと思った。
単純に昔を美化しては いけない」
若手のT.Tさんの感想でした。
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Iさん
「老いも、病いも、受け入れよう」 瀬戸内寂聴:著
新潮社:刊
本書の帯にあります。
死の淵から生還した94歳
はじめての闘病記 病になってわかった 元気と長寿の秘訣とは?
第1章 老いに挑戦 ⇒ 老いてもきれいに・やせてはいけない・・・
第2章 病に負けない⇒ 私が鬱になるなんて・治ると信じる力・・・
第3章 長生きしよう⇒ 日常生活で続けるリハビリ・・・
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遠くに住む、敬愛する高齢の友人からの葉書に書かれていた
「寂しい」「辛い」の言葉に 何かお力になれないかと考えて
見つけたのが 瀬戸内寂聴の本書だったそうです。
早速 お送りすると、友人からお礼の絵葉書が届き、そこには、
「この本に触発されて、おしゃれをして出かけ、お友達にこの本のこと
を話し、美術館に行き、ランチをしました。」
とあったそうです。
「最後の財産は、友」の、本書の言葉を実感したそうです。
言葉の力、本の力も。
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Mさん・・・6月と同じですが・・・
「アポリア: あしたの風」
いとうみく:著 宍戸清孝:写真 童心社:刊
大地震が発生した首都に住む、中学2年生の男の子を主役にした長編小説。
タイトルにもなっている「アポリア」とは、「解決の糸口を見いだせない難問」、
転じて「道のないこと」という意味のギリシャ語。
大地震と津波に襲われて母を失った主人公は、「なぜ自分が生き残ったのか」と
深い苦悩に陥る。
自分よりももっと生きる価値のある人がいた、という主人公の苦しみは、
東日本大震災が発生したときに多くの人が感じたものだ。
本書には、ところどころに震災の写真が挟まれています。
個人のトラウマを想起させない程度の瓦礫の写真は、挿入方法もおしゃれ。
本のラストには 見開きで桜の写真が掲載されており、希望を感じさせます。
写真家、宍戸清孝のモノクロ写真を眺めているだけでも
胸に迫るものがある1冊です!
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次回は、決まりしだい お知らせいたします❤